2014年10月23日

根を探す視点

IMG_6819.JPG

 自分は、自分以外のもので出来ている。

 これは、歴然とした事実です。

 自分ではない、父母の両精が合することで自分が生じ、自分以外の空気を吸い、自分以外の飲食物を取り入れて自分が出来上がって来る。

 生まれ落ちたところの、自分以外の人々の言語を自分の言葉とし、生まれ落ちた文化の観念を自分の観念とする。

 自分の考えと言っても、所詮は自分以外の言語と観念の中でものを考えているにすぎない。

 このように自分は、自分以外のものの、寄せ集めにすぎないのである。


 では寄せ集めている、その中心になっているのは、何なのか。


 自分の身体に、自分の心に起きることの根がどこにあるのか。


 我々東洋医学の病者を観るときの視点です。


新ロゴ鍼灸院.jpg

posted by いおり at 07:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 診察室の窓

2014年10月06日

意識の在り様

IMG_2557.JPG

 台風が近づきつつあった昨日5日、京都坊主バーで行われました「ヨガと東洋医学」に行って参りました。

 そもそも、僕が長野女史にヨガを教えてもらいたいということでスタートしたのですが、気持ち良い時間を過ごすことができました。

 みなさん、ご自身の手を、足の指をマジマジと見つめて見られたことが、ありますでしょうか。

 足の指を見つめて感じて、そして動かしてみる。

 たったこれだけのことが、身体にとっては大きな喜び。

 当たり前になっていることが、実は不思議と言えば不思議。

 そんな感覚になってると、自然と感謝と喜びの気持ちが湧いてくるものです。


 一個人として目立つことなくコツコツと社会生活を送っていて、ある日突然自分に光が当たってその役割を認められ、感謝されると嬉しくないでしょうか。

 自分と向き合うことって、そんなに大そうなことではなく、ほんの少し意識を向けてあげるだけで良いのです。

 ここ数回のヨガで、学んだこと。

 次回は11月16日(日)の午後1時から京都坊主バーで。


新ロゴ鍼灸院.jpg
posted by いおり at 08:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 外部活動

2014年09月27日

不安は大敵

IMG_2628.JPG


 健康産業花盛りのご時世ですが、それにしても癌をはじめとする難病は減りませんねぇ。

 医学が発展して、病気を見つけることが出来るようになったからだと主張する方もおられますが、どうなんでしょう。

 現代医学が取り組んでいる健康診断。

 これって、意外とくわせ者です。何故かっていうと、予期不安をかきたてるからです。

 健康に生きるためには、不安と恐れこそが、一番の大敵なんですから。

 もちろん、病気を治すためにも、不安は大敵で、安心がどんなことより優先されるべきです。


 ところで、そもそも健康って数値で測れるものなのでしょうか。

 日常みなさまは、ご自身の健康状態をどのようなことで測っておられますでしょう。


 日常の臨床で、基準としていることは以下のようなことです。

 1.夜はすぐに眠りに落ちてぐっすりと眠れ、朝、目が覚めて今日一日が始ることが嬉しく感じる。

 2.ご飯がおいしく、排泄がすっきりしている。

 3.物事に意欲的に取り組める。

 4.家族や周囲の人たちと平和に暮らせている。

 これらは、基本中の基本です。

人が病気になる原因といえば、心の状態と飲食の内容。そして睡眠です。

 このようなことに目を向けることなく、どのような健康法を行っても、僕は徒労に終わると思います。


 癌などというものは、持続した心の葛藤・緊張や鬱積した想念。それに飲食の誤り。これが根っこです。

 難病で受診される方から、精神的なものでこんな病気になるのですか? って、よく聞かれますけど、心の問題と身体の問題を分断して捉えるのは、西洋医学の方法論です。

 心と身体を切り離して、身体の異常だけを捉えて何とかしようとするから、東洋医学からみれば簡単な病でも、難病になってしまうのです。

 患者は、難病という診断=レッテルに対して大きな不安と絶望感に近いものを持っておられます。

 これがまた、治りにくくさせてしまうのです。

 心の状態は、顔の表情だけでなく身体の奥深くにまで影響します。

 心身一如

 今日も一日、気持ち良く生きましょう。

新ロゴ鍼灸院.jpg






posted by いおり at 08:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康とは

2014年09月25日

許すことについて

IMG_2575.JPG


 パワハラ、セクハラ、悪意のある嫌がらせ、果ては犯罪や事故の被害者に遭われた方まで、様々な方が様々な症状を抱えて来院される。

 許す側、許される側。いったいどちらが救われるのだろうと考えてしまう場面に、しばしば出会う。

 ケースによるが、許すということは、被害に遭った方がハードルが高いように思える。

 被害者が、相手を許すことが出来るようになった時、被った被害から自由になる。怒りや悲しみ、そして恨みからも。

 決して消えることの無いように思えるが、現れては消え、消えては現れながら、川の水のように流れ、水は元の水にあらずというように、人生は過ぎていく。

 被害を与えた側は、全てを正直にし、明らかにして謝罪することで、楽になれる道がある。

 被害に遭った側は、なかなかそこから抜け出せない。

 今に生きていながら、未来が見えないんですよね。

 身体症状、完全には消えないですよ。

 頭ではなく、心の中でストンと落ちるように許せるようになった時、心はネガティブな感情や想いから解放される。

 今まで使っていたエネルギーを、未来に向けることが出来るようになる。

 そうなると、ちゃんと治りますよ。

 過去の戦争被害も同じ。

 過去にこだわって今に留まるのか、過去のことは過去の事実として未来に向くのか。

 全ての人には、この選択の自由が与えられている。

 時間はいくらかけてもいい自由も与えられている。

 が、難しい人には難しいだろうが、簡単な人には簡単なこと。

 あせらず、今の自分をただ正直に感じて見る。

 こんなところに出口があるように思える・・・

新ロゴ鍼灸院.jpg
posted by いおり at 08:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 診察室の窓

2014年09月20日

問題の置きどころ

IMG_6405.JPG

 病は、かつては細菌やウイルスなどによる感染症が中心であった。

 赤痢やコレラ、腸チフスなど、特に明治開国以後日本で猛威をふるいました。

 そこで威力を発揮したのは、疫学を得意とする西洋医学でした。

 東洋医学には、このような観点が欠落していた。

 西洋医学的な消毒や公衆衛生の普及によって、これらの病は現在ではほとんどなくなりました。

 ところがその代わり人々が経済的に豊かになるにつれ、成人病から生活習慣病と名を変えた病、癌などの増加と、いわゆるアレルギー疾患は減るどころか増加の一方。

 西洋医学的方法では、感染症以外の病に対しては予防的役割を果たせていない、というのが大局的評価ではないでしょうか。

 日常の臨床でよく遭遇する、アトピーや喘息などの疾患に対して、患者が日常どのような状況で生活をしていて、どのようなものを美味しいと感じ、どのような精神状態であるのかを問題とする病院は、おそらく僅少だろうと思う。

 病とそれらの相関性が、視野にないからだ。

 心理的なことが身体の状態に反映されるとする、ストレス学説も狭い分野での応用しかおこなわれていない。

 重病になればなるほど、患者の心理状態が病の進行に反映されるなどとは、数字に現わせないからだろう。


 たとえば小児の場合、親との関係や家庭を取り巻く環境に、問題の本質があることが多い。

 そこに問題の本質を置かず、体に現れている症状だけを問題として解決を図ろうとするから、治らないのである。

 子供が病気をした場合、子供だけでなく、親自身の心の状態や生活状況を振り返る必要がある。

 問題の置きどころを、子供自身の身体の問題に置くと、対処療法として延々と薬物を使い続けなければならなくなるのだ。

 もちろん、我々鍼灸医学に携わる者も、症状の緩解を目指すが、問題の置きどころは子供よりもむしろ同伴してきた親に目を向ける。

 親自身が謙虚に自分を振り返り、現実的な生活習慣・心の習慣を変えることで、病気の治癒だけでなく再発も無くなる。

 さらに、子供に関わる全てのものが、平和で穏やかな生活が訪れる・・・

 ほんとうに病気が治るとは、このようなことなのだ。


新ロゴ鍼灸院.jpg
posted by いおり at 08:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 診察室の窓

2014年09月19日

問題の履き違え


IMG_6404.JPG


 久々のブログ更新となってしまいました。

 このところよく思うことは問題の履き違えによって、病苦からなかなか抜け出せないと言うこと。

 身体的な苦痛は、強烈に我に帰ることを強いてきます。

 痛みの苦痛が大きければ大きいほど、その場しのぎであっても、とにかく楽になりたいと願うのは当然のことです。

 ただ、忘れてならないのは、その苦痛には必ず因果関係がある事です。

 それは身体の生理的なメカニズムではなく、自分の取った行動、心の状態との関係です。

 たとえば眠れない、不眠が続いて疲労感が強い。眠れるようになりさえすれば、すべては上手く行くので、眠れるようになりたい。

 このように訴えられる人が多いのですが、問題は眠れないことではなく、眠れないほど心に、身体が苦しいということです。

 安易に眠剤を使用すると、問題は先送りにされるだけでなく、事態は益々深刻化します。

 これは不眠に限らず、単純な冷え症でも重篤な病であっても同じことです。

 自分の心身に起きていること。

 意識の光を、どこに当てるのか。

 実は、これこそが最も重要なポイントなのです。

新ロゴ鍼灸院.jpg
posted by いおり at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 診察室の窓

2014年08月08日

女性の生理痛(5)

IMG_5844.JPG





 前回は、自分自身の心身の状態に、まず気づくことの重要性を説いて参りました。

 ところが、何が自分の心の引っかかりになっているのか分からない。

 また、いわゆるストレス状態になっているのに、そのことを自覚できない。

 このような人は、男女に限らず、日常の臨床でたくさん遭遇いたします。


 女性の場合、生理前になると、イライラがつのって、つい感情的になって周囲に当たり散

らしてしまう。

 このようにおっしゃる方も、結構多いのです。

 このような場合は、小さな怒りや不満が積み重なって、次第に大きな怒りや不満になって

しまっているのです。

 このようなことは、男性にも存在するのですが、特に女性の場合は生理前に、はっきりと

情緒不安定という形で現れます。

 そしてこのような時には、いくら怒ったりどなったりしても、なかなかすっきり感があり

ません。

 あとに残るのは、解消できない不満感と自己嫌悪です。

 理由は様々考えられます。

 その第一は、やはり思考と感情。頭と身体感覚が分断されていることです。

 これはなにも、生理痛に限ったことではなく、あらゆる病気に共通することです。

 現代は、何事も展開が速いため、じっくりと自分の感覚に向き合うことが難しくなってい

ます。

 自分と向き合うことは、「いまここ」の自分を自覚することからです。

 その方法のひとつとして、自分の呼吸に意識を向けることが挙げられます。

 これは禅の教えの基本でもあります。


 一般の方々にも公開しています、「一の会 養生講座」では、このような点を軸に据えて毎

月行っています。

 8月23月(土)は、永松周二先生による「東洋医学 身体学」を通じてお伝えいたします。

 10月からは、禅をベースとした金澤による「呼吸瞑想」を始める予定でいます。

 ちょっと宣伝めいてしまいましたが、委細・詳細はこちらをご覧ください。
                 ↓

             『一の会 養生講座』


 ときに、じっくりと自分の心と身体に向き合う時間を、取ってみられてはいかがでしょうか。



新ロゴ鍼灸院.jpg

posted by いおり at 06:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 女性疾患・妊娠・出産

2014年08月01日

女性の生理痛(4)

IMG_5848.JPG

 少し間が空いてしまいましたが、続きを書きます。


 生理痛の原因となる精神素因として、東洋医学では「七情の不和」とか「七情内鬱」という概念があります。

 これはどういうことかと言いますと、怒・喜・悲・思・憂・驚・恐の七種類の感情表現が過剰であったり抑圧されすぎることが、病因となることを示しています。

 生理前に、イライラしたり怒りっぽくなる方は、平素よりこの七情が解放されずに鬱積していることがほとんどです。

 何に対してイライラしているのか、怒りが湧いてくるのか、不満であるのかが明確である場合は、まだ問題ありません。

 なぜなら、解決すべき問題が意識に上っているからです。

 解決すべき問題が、意識に上っておりさえすれば、今すぐに解決できないとしても、毎日の営みの中で解決の糸口が見つかる可能性が高いからです。

 意識されていないと、解決の糸口が目の前に在ったとしても通り過ぎてしまいます。

 自分の心と身体に大きな負担を強いている問題に、まず気づくこと。

 これが最も大切です。

 顔の表情を観れば、相手の人の状況がある程度理解することが出来るように、心身一如を標榜している我々鍼灸師は、手首の脈の打ち方やお腹・背中・手足に触れて、言葉では表現できない心身の表情を読み取ります。

 そして互いに交わす会話と気の交流を通じて、自分自身に対する理解を深めてもらいます。

 鍼をすることで、つらい痛みを取り去ったり気持ちを落ち着かせることも大事です。

 鍼をして、生理痛を取ることなんて我々にとっては、簡単なことです。

 しかし、それ以上に大切なのは、生理痛を再び起こさないために、心の習慣や生活の習慣に気付いて、具体的に変えて頂くことです。

 まず、気づく。

 これが重要です。

               つづく

新ロゴ鍼灸院.jpg

posted by いおり at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 女性疾患・妊娠・出産

2014年07月24日

冷寒注意報!

IMG_5881.JPG






 いよいよ盛夏の時期がやってまいりました。

 この時期になると、例年同じようなことをブログで書いているのですが、今年も同様です。


 冷飲・冷食注意報とでも題しましょうか。


 鍼灸院でも、冷飲・冷食による体調悪化が、顕著に見られます。

 最も多いのは、やはり下痢・軟便。それに伴う諸症状。

 腰痛膝痛、倦怠感、皮膚炎、気分障害・・・


 排便の状態と、腰痛・膝痛が関連している方は、意外と多いのですが、ご本人はそれと気づいておられない方が圧倒的多数。


 運動器と内臓機能。


 一見関係ないようですが、東洋医学では、繋がっているんです。


 あと以外に多いのが、風邪。

 汗をかいて下着が濡れたまま、冷房化の環境に入って風邪を引いていまうというパターンが圧倒的。

 次いで、冷飲・冷食によって消化器を傷め、抵抗力を無くして風邪を引いてしまう方。

 まさに、文明病の様相です。


 営業で外出される方は、冷飲がおいしいですが、できるだけ常温の飲料を摂るように心掛けてください。そして外出後は、汗をしっかりと拭き取るか、下着の着替えを用意されると好いですね。

 デスクワークの方は、冷飲を控えるのはもちろんのこと、仕事を終えた後に、適度に汗をかくことが必要です。

 電車に乗る時は、上着を用意した方がよろしいですね。


 これから秋にかけての過ごし方は、秋に風邪をひきやすいとか花粉症の発症に大きく関係します。

 水分をしっかり取るなど、世間で言われていることは、そのまま鵜呑みにしないこと。


 ご自分の身体の感覚に従って、摂りすぎないようにするのがポイントです。

 カテゴリー「四季の過ごし方」の過去ブログに、詳しく書いていますのでご参考になさってください。


新ロゴ鍼灸院.jpg


posted by いおり at 11:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 四季の過ごし方

2014年07月18日

女性の生理痛(3)



IMG_5837.JPG






 日常、女性の身体に触れていますと、やはり神秘だなとつくづく感じることが多い。

 今回は、生理痛の中心的な原因となる『気滞』について書こうと思うのですが、あまりに広範囲にわたるので、どこから書き進めたらいいのか、ためらうところでもあります。

 そもそも身体とは、女性に限らず自分以外の様々な『気』の総体であります。

 個体でありながら、自然界や人間を取り巻くすべての場の影響、人との影響を受けて身体の状態が変化します。

 とりわけ女性は、月の満ち欠けに連動して身体の気血が増えたり減ったりする訳ですが、男性も影響を受けます。

 しかし、ダイレクトに身体に表現されるのは、やはり何といっても女性です。

 このことは、古来より自然界の精霊や神々と交流することができた巫女は、すべて女性であったことからも窺えます。

 男性である神官は、女性である巫女を通じて下ろされた、ご宣託の真偽を判断するサニワの役割を担っているにすぎませんでした。

 話を元に戻します。


 女性の感性は、身体を通じて自然界と密接に通じていました。

 しかしそこには、感性はあっても、理屈が無いのです。

 感覚的に、「近いうちに、雨が降ってくる」といっても、そこに理由は存在しないのです。


 「イヤなものは、イヤ」 「好きなものは、好き」、ここに理屈は無いのです。

 ところが現代社会では、感性だけに従って生きることはできません。

 現代社会は、法律や規範によって成り立っているからです。

 むしろ個人によってバラつきのある感性を排除して、一定レベルの規範に従わないと、現代社会で生きることが年々難しくなってきてます。

 しかも社会の関係性は、加速度的にシステムとして複雑化してきています。

 女性の社会参加は、この感性を大なり小なり、麻痺させるか排除しないことには、難しいことになります。


 ここに、女性特有の『気滞』を生み出す、根源的な根があるように感じています。


 男性も、実は同じなのですが、身体を通じて痛みとして毎月ダイレクトに実感するのは、やはり女性です。

 身近な動物でたとえるのなら、さしずめ男性は犬的で、女性は猫的といった感じでしょうか。


                                               つづく

新ロゴ鍼灸院.jpg

posted by いおり at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 女性疾患・妊娠・出産
最近のコメント
花粉症のあれこれ by (04/13)
花粉症のあれこれ by アンクルガーデナー (04/12)
特別なことは、ムダ by アンクルガーデナー (02/22)
春の気 by (02/16)
春の気 by アンクルガーデナー (02/15)
タグクラウド