2013年09月15日

あらゆる病気の原因― 気滞(2)




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 現代人にとって「気滞」の問題は、避けて通れない複雑多岐の問題があります。


 約2500年前には存在したといわれている、我々鍼灸医学の原典である『黄帝内経』(こうていだいけい)には、すでにそのことについて深く言及している。


 そこには、自然と自分との関係、そして意識される自分と、意識されない自然と言う自分との関係の重要性が説かれている。

 『黄帝内経』のはるか以前の太古の時代は、人間と自然が感性で一体となって繋がっていた。

 1本の木を切るのにも、森全体との繋がりが意識されており、日本においても家を建てる時に奏上される地鎮祭の祝詞の中に、かつての自然と人間の関係の名残が見てとれます。

 地鎮祭祝詞 → http://www.nippon-bunmei.jp/wp-content/uploads/jichinnsainorito1.jpg


 時代と伴に自然と人間とを取り持つシャーマンは姿を消し、自然と人間は感性的に切り離されるようになってきました。

 自然と切り離された人間は、そのまま個人の思考と内なる自然との関係に反映されます。


 このような大きな流れの中で、思考と内なる自然がずれるようになり、一致させることが難しくなってきました。


 元々『ひとつ』であったものが『ふたつ』に分かれ、さらに細かく分裂して本来性まで失ってしまった。

 帰る道さえ忘れてしまった現代人。


 ここに気滞の問題が生じ、病となる原点があります。

 身体や感性は、極めて自然に反応します。

 更年期障害は、その年齢に至るまでの、『おんな』としての生き方を問われることなくホルモンバランスの問題として扱われ、

 癌は本来の成因を自覚することなく切り取られ、再発にただ恐々として最後の日が来るまで過ごし、

 精神病は真にその背景を探ることなく脳内物質を外から入れ、見た目だけはかろうじて生きているように見え、

 不妊症と病名をつけられると、性の営みの喜びを感じることより、子供が出来ないことを悩みとしてしまう。

 様々な病気に潜む本源的なことを、誰が眼前に見せてくれ、解決してくれるというのだろう。


 医療は、その場その場の解決に手を貸しながら、益々自らの必要性をアピールし、病気になる不安を煽る。


 誰でもが安価に医療を受けることが、幸せなのじゃない。


 出来る限り医療を必要としない生き方の延長に、本当の幸せがあるのだ。

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2013年08月24日

あらゆる病気の原因・・・気滞(1)

 気滞とは、何らかの原因によって「気」が正常に機能しなくなった状態を指し、主に精神的素因によって生じる病因のことである。

 と、まあいきなり難しく書いてしまいましたが、東洋医学では気持ちがすっきりしないと病気になりますよと、紀元前からすでに説いています。

 何となくすっきりとしない感覚は、心の感覚、身体の感覚、そして思考の三要素がバラバラになって繋がっていないことによって生じます。

 心や身体で感じていることと頭で考えていること・話していることが一致せずに過ごしていると、気の停滞を来してすぐに疲れてしまうばかりではなく、病気にもなりやすい。

 「〜するべき」「〜であるべき」という思考や信念は、時として心や身体で感じていることを無視することになり、本来の自然な気の流れを阻んで気滞を生じるようになります。

 すると次第に生き生きさが無くなり、顔の表情にも現れます。

 また自分が自分に禁じて我慢していることを、他人が平気で行っていると怒りが生じます。これは気の停滞が生じている上に感情の抑鬱によって生じる内熱と相まって、より一層深刻な状態に陥ります。

 現代は、ストレス社会と言われていますが、ストレスと言ってしまえばそれで解決したかのように思ってしまう人も多いのではないでしょうか。

 ストレスの中身は、緊張と葛藤です。

病気が悩みの種であったり、ストレスだと感じている人もいると思います。

 病気そのものに焦点を合わせるのではなく、病気に至った自分の生活習慣や心に緊張と葛藤を生じた自分自身の有り様にこそ焦点を合わせることが大切です。

 もちろん、程度を越えた苦痛状態は例外です。医療で一旦落ち着いたとしても、振り返ることはとても重要です。

 心と身体と思考が一致して調和していると、人は楽しいと感じ大きな力を生じます。

そのような状態であれば、そうそう重い病気になどにはならないものです。

気滞は、自分で気がつかないうちに徐々に停滞を来します。

 いち早く現れるのは、呼吸です。

 呼吸が浅くなったり、深呼吸をしても満足感の無い時は、すでに気滞の程度がかなり進んでいます。

 そうなると、本当に疲れやすくなりますし、休息をとっても回復しがたくなってきます。

自分の呼吸を通じて様々なことに気づき、そして解決していくための呼吸瞑想会を「いおり いちの会」で毎月一回行っていますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。

 

 江戸時代に著された、夢分流打鍼術の鍼道秘訣集の中では、


 貧欲心(むさぼりおもうこころ)

嗔恚心(いかるこころ)

愚癡心(おろかなるこころ)

これらを心の三毒とし、月を暗くする悪雲のようなもで、すべての禍の大元であると述べています。

 なかなか含蓄がある内容なのですが、別に改めて書きたいと思います。

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2013年08月10日

湿邪対策

 身体が湿邪に犯された症状や兆候は、すでに書きましたので、対処の仕方について少し書いてみます。

1.飲食

 飲食の乱れは、もはや年代を越えた問題です。


 イメージとしてベトベトしたもの。

 油もの・甘いもの・お餅・もち米製品などは、できるだけ控えるようにするのが賢明です。


 また、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品は、乾燥した地域の食べ物で、身体を潤す作用があり、高温多湿の日本ではあまり口にすべきではありません。
 さらに健康的イメージの生野菜・果物もまた、身体を冷やし保湿の作用があり、日常的に摂るべきではありません。

 米食を中心とした伝統的な和食を心がけたいものです。

  またジュースやアルコール類もまた、身体に湿邪を生みやすいので飲み過ぎないように留意してください。

 

2.適度な運動・・・乾かすと言ったイメージ


 適度に運動をした後に、気持ちの良い空腹感を感じたりご飯が美味しく感じられた経験をお持ちの方も数多くいらっしゃると思います。


 東洋医学では、手足の状態と胃腸とは連動・密接な関係があります。手足を動かすと、胃腸がよく動き、新陳代謝も活発になります。

 適度に運動をすると、汗をかいたり小便もよく出たりと、水分の代謝が良くなります。

 夏場には、あまり冷たい飲食物を取り過ぎないように気を付けてください。

 飲食の過不足や誤りによって胃腸機能が衰えると、手足が重だるく感じられるようになり、気分もすっきりしなくなります。

3.服装と住居

 日本の伝統的な着物や日本家屋は、冬の寒さよりも夏の湿気を意識して作られているため、風通しを良くしてうっとおしさが無いように工夫されています。


 また、クーラーが普及しているため、夏場でもあまり汗をかかなくなっているため、体内に湿邪をためやすくなっていますのでご配慮ください。


4.気滞・・・精神情緒的素因

 気滞とは、感情の過不足や精神的素因によって生じる気の停滞を指す言葉です。


 気滞が胃腸機能に影響した場合、ちゃんとした飲食物を摂っていたとしても湿邪は生じてきます。

 日常生活においては、誰にでも葛藤や緊張などの状態になることがあります。問題になるのは、指摘しても自覚できないことが多いということです。これはなかなか由々しきことなんです。

 病気との関係において、この気滞の問題は特に重要な重要な意味を持っています。



これから改めて書いて参ります。

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2013年08月02日

雨の前後に心身がおかしい・・・湿邪のまとめ

 このところ、暑気も盛り返しつつありますが、とにかく湿気が多いですね。空気が重く感じます。

 湿気が人体に影響して、様々な病気・症状を生じるようになると「湿邪」という邪気に変化します。

 ここで「湿邪」の性質を整理しましょう。

1.陰邪であり、人体の下部を襲いやすい。

 おりものの増加、陰部湿疹や足のむくみ、水虫などが現れやすくなります。
 また、陰の性質であることから冷えを受けやすい。

2.湿邪は、モワ〜っとしているので、はっきりとしない「なんとなく・・・」といった症状を呈しやすい。

 なんとなく身体や手足が重い・だるい、頭に雲がかかったようにボーっとしたりぼんやりとしてはっきりとしない、腰や関節に何かがへばりついているようで動かしにくい、何をするにも気分が乗らない・重い、などと言った症状が現れます。 うつ病などの精神疾患には、常見の邪気です。


3.ベトベトした粘性であり、胃腸機能を損ないやすい。

 消化の過程では、固形物と水分を分ける必要があります。消化器の機能が損なわれると、痛みや不快症状に先行して、まず水分代謝の異常が現れます。東洋医学では、胃腸が行う水分代謝を、特に重要視します。このことは重要ですので、是非ともご記憶ください。

 さて、胃腸の機能低下の現れとしては、軟便・泥状便〜下痢、普通便であってもねっとりとして便器が汚れやすい、汗がべとつく、口の中が粘る、小便の量が少ないなどの些細な水分代謝異常から、食欲が無い・痞えやすい、消化不良、浮腫、胸が苦しく感じる、傷から滲出液が多い、湿疹やあせもができやすいなどのはっきりとした症状までが現れます。

 
 その他、粘性であるため気の流れを阻みやすく、他の邪気と結び付きやすいのであらゆる病気に見られます。

 
 

  
 当然、自然界に湿気が増えると、その影響を受けて上記のような「なんとなく、おかしい・・・」といった状態が現れます。

 次回、対処方のまとめに続きます。

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2013年07月27日

湿気と服装

 前回に引き続いて湿気について書きます。
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 湿気が多いのは、日本の気候の特徴です。



 この湿気が人体に影響して、様々な病気を生じるようになると「湿邪」という邪気に変化します。

 治療に際しては、この湿邪の捌き方の上手・下手が大きく治療結果に現れます。


 さて、この湿邪。自然界の湿気=外湿と体内に生じる湿気=内湿とに分けて考えます。


 雨の前後や湿気が多い日・梅雨時期などに症状が悪化したり、体調や精神状態が思わしくないとおっしゃる方は、外湿の影響を受けておられるのです。

 外湿の影響を受けやすい人は、実はすでに体内の内湿が盛んであることが多いのです。

 身体が冷えっぽい人は、冬など寒気の盛んな時期に体調を崩したり風邪をひいたりするのと同じことです。

 これを専門用語では、「同気相求む」と称します。内湿は外湿と相まって、気の流れを停滞させて発病させます。

 内湿が盛んになる大きな原因の一つには、食生活の欧米化、いや多国籍化があることは、これまで書いてきた通りです。

 もうひとつの原因に、服装があります。

 日本の着物は、袖口を脇が大きく開いていて風の通りが良いようにできています。

 また、下駄、雪駄、草履など、陰邪である湿邪は下に降りて大小便の二便として排出される一方、足元からも発汗という形で排出されます。

 僕も、夏場はできるだけ裸足で、治療所では雪駄を使用しています。


 街で見かけるビジネスマンを見るたびに、とても気の毒な気持ちになります。


 真夏でもネクタイにスーツ。そして靴。

 気温の低いヨーロッパでは、理に適った服装でも、日本では拷問に均しいように思えます。体調にも大きな影響を与えます。

 一方、露出度の高い服装の女性を見ると、羨ましく思えるのですが、エアコンの効いた電車内で見ると健康面が心配です。

 湿気は陰邪なので、時間と伴に下半身に下って行き、しかも陽気を阻みやすいので容易に冷え症を形成するだけでなく、瘀血と呼ばれる病理産物も生じます

 この瘀血、女性でしたらお分かりになると思いますが、生理出血に混じる黒い血の塊がそうです。

この瘀血、癌などの疾患形成には必須の邪気です。

 なにも服装だけで生じる訳では在りませんが、エアコンの風が直接体幹部に当たらないようにする配慮は、是非とも必要です。

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2013年07月20日

湿気と食生活

 甘味は、気の動きをゆっくりにしますので、代謝の速度が遅くなります。

水分の補給を目的としたスポーツドリンクには、大量の糖分が含まれていることは、前回のブログで記したとおりです。

 そして甘味で問題になるのが、体液の循環不全です。

 身体に浮腫が現れれば、それとすぐに分かるのですが胃腸内の体液の異常には気がつきにくいものです。


 たとえば、お腹を軽く叩いたりちょっと走ったりすると、お腹からチャポチャポと水の音が聞こえたり、大便がしっかりと固まらずに軟らかくなったりすると、その弊害はいずれ何らかの症状として身体は表現します。

 花粉症で大量の透明な鼻水の出る方などは、上腹部を軽く叩くとチャポチャポと音の出る方が多いですし、ある種の喘息の人にも見られる現象です。


 東洋医学では、水邪と称するのですが、それまでに身体に湿気が多い方も結構いらっしゃいます。


 身体に湿気?って、不思議に思われると思いますが、水と湿気とは液体と気体の違いだけで本質は同じもので連続しています。

 自然界の湿気をイメージして下さい。

 モワーっとした感じで、空気も重く感じませんでしょうか。

 身体に湿気が多いと、身体の皮膚はベトベトしますし、大便もまたベトベトします。

 そして現れる症状は、雨の前後に体調や症状が悪化する、何となく頭に雲がかかったようにぼんやりとする、身体と気持ちがなんとなく重い、関節(腰・膝・膝・手首・手指等)に何かがべっとりと張り付いたかのようで違和感があるなど、大したことではないのだけれど、「なんとなく・・・」という程度の異常から始まります。

 東洋医学では、このような「なんとなく・・・」と言った症状に対して治療をすることができ、病気になる前に手をうつことができます。

 しかし病院では、検査を受けて、はっきりとした異常が見つからないと治療の対象にはなりません。

 身体にとって適度な湿気は、潤いとして必要なものですが、程度を越えて人体に悪影響を及ぼすようになると「湿邪」と称します。

 そしてこの「湿邪」は、アトピーや喘息、癌、精神病、運動器疾患、泌尿器・生殖器疾患など、あらゆる疾患に広く見ることができます。

 「湿邪」は、なにも甘味だけで生じるのではありません。

 味の濃いもの、刺身・生野菜などの生もの、肉・油脂、ヨーグルトやチーズ・牛乳などの乳製品、おかきや煎餅などのもち米製品などを日常的に食べ過ぎていると「湿邪」が生じやすくなります。

 加えて日本の気候風土として高温多湿であるため、衣食住は、この湿気を意識して形成されています。

 日常の食生活は、和食を心がけたいものですね。

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2011年07月31日

湿気の邪

 大阪では、中途半端に雨が降ってムシムシ・ベタベタして気持ちが悪い…なんて言ってましたが、東北地方はまたもやの天災。

 お見舞い申し上げます。


 さて、ここしばらく夏の過ごし方について書いてきたのですが、日本の気候の特徴は高温多湿。

 この湿気について書いてみます。

 ここでいう湿気は、私たちを取り巻く環境の湿気を指していますのでこれを「外湿」と呼びます。(6種類ある外邪の内の一つ)

 この湿気が人体に影響して病的な状態になると湿邪として認識します。

 湿邪の影響を最も受けるのは胃腸機能で、人体の気の流れを阻んで様々な病気を生じさせます。

 軽いものでは胸元が苦しい、頭がぼーっとしてはっきりしない・締め付けられるように頭が重く痛む、体がだるくて重いなどといった状態になります。

 重くなると泥状便・下痢、反対に便秘になるなどの胃腸症状。

 腰痛・関節痛、手足のしびれなどの運動疾患。

 むくみ、おりものが増えるなどといった症状が現れます。

 湿邪陰陽でいうと陰邪になるので、体の陽気を損ないやすくまた下に降りやすいので下半身にも症状が現れます。

 アイスクリームなどを頻繁に取ってると湿邪というやっかいな邪気に犯されやすくなります。

 ジクジクとした湿疹やアトピー、水虫、アセモなどの皮膚疾患。鼻詰まりや鼻水などの鼻炎。

 うつ病や統合失調症などの精神疾患。

 膣炎や膀胱炎。腰・膝・手指・肘などの関節症…かぞえあげれば切りがないくらいそれらの疾患の発病・悪化にこの湿邪が関係します。

 この湿邪、ベトベトしてしつこいので、治ったかなと思って油断すると再発しやすいのが特徴です。

 湿邪は体内に水湿の邪が盛んな人ほどその影響を受けます。(内邪の内の1つ)

 体内の水湿の邪は、主に食べ物や生活環境、心の状態などによって生じます。
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