2014年07月03日

女性のむくみ

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  6月22日、京都坊主バーで行いました「ヨガと東洋医学」

  女性によく見られる「むくみ」についてのリクエストを頂戴しましたので、一部公開致します。

  むくみの原因は、ネットなどで検索すると、現代医学的・東洋医学的に様々なことが挙げられています。

  それぞれもっともなことなのですが、ひとつ大きく欠けている要因があります。

  それは、『七情の内鬱』が原因となっている視点です。

  『七情の内鬱』というのは、このブログでも度々触れているので、すでにご存じの方も多いかとは思いますが、あらゆる病気に、この『七情の内鬱』が関係していることが以外と多いのです。

 そもそも「むくみ」という症状は、何らかの原因によって水分代謝に異常を来した状態であるわけです。

 その要因として、女性に多くみられる冷えを取り上げていますが、もうひとつ掘り下げて見ることが必要です。

 その冷えの原因は、飲食や服装、冷房下の環境など、様々なことが考えられるのですが、対処して改善されれば、問題は無いわけです。

 ところが、色々と対処しているにも拘らず、改善されないといった場合、臨床的には、この『七情の内鬱』がその端緒になっている場合が圧倒的に多いのです。

 この『七情の内鬱』とは、感情の抑圧や精神的に葛藤や緊張を抱えている状態を指します。


 この『七情の内鬱』は、気の停滞を起こし様々な病理産物を生じて、徐々に病的な状態へと向かいます。

 まさに、『病は気から』という表現そのままです。


 では、同じように感情の抑圧があっても、むくみ症状が何故男性に少ないのかといえば、男女の生理の違いに依ります。

 女性は男性と違って、月の満ち欠けに連動して生理出血を生じます。

 この生理前後で、精神状態や排便の状態、食欲の亢進・減退など、様々な心身の変化に気づいている女性の方も多いと思います。

 東洋医学では、消化機能を主る「脾の臓」が中心となって生理時の血(けつ)を生み出します。

 飲食物は、この「脾の臓」によって水分と固形物に分けられ、肺の臓・腎の臓と協調して、全身の水分代謝をコントロールしています。

 女性は、毎月定期的に出血があるため、男性に比べて相対的に気有余・血(けつ)不足傾向にあり、この「脾の臓」に常に負担を強いていることが前提としてあります。

 ちなみに、男性に髭があるのは、出血が無いために相対的に気不足・血有余しているからなのです。

 女性は男性に比べて、相対的に気が勝っているため、感情的・感覚的になりやすく、しかも脾の臓に負担がかかりやすい傾向にあります。

 これは、好いとか悪いとかではなく、自然の生理としてこのような傾向にあるのです。

 従いまして、同じように『七情の内鬱』があったとしても、男女の生理的な違いから、その現れ方や症状も異なります。

 例を挙げますと、過度に緊張すると、一般的に男性は下痢、女性は便秘という傾向にあります。

 女性で、生理後に下痢をするという方もおられますが、これは「脾の臓」に何らかの問題を抱えておられる方に多いのです。

 「脾の臓」に関する詳しい解説は、いおり鍼灸院のホームページをご覧ください。
  
 『脾の臓』 

 
 今回は、むくみ症状を取り上げていますが、女性疾患すべてに通じることです。

 むくみが主に下半身に現れ、皮膚を押さえるとすぐに元に戻って指の型が付かないといった場合は、『七情の内鬱』が『脾の臓』に影響している場合がほとんどです。

 体液=水が下半身に停滞しているのですから、当然冷えを伴います。

 温めたりマッサージすることで改善されることも多いのですが、根本的解決につながらないことが多いです。

 この『七情の内鬱』、ご本人に自覚できていない場合も、数多くあります。

 女性の生理痛などは、まさにその代表です。

 つづく

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posted by いおり at 08:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 女性疾患・妊娠・出産

2014年07月11日

女性の生理痛(1)

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 女性の生理周期が、月の満ち欠けに連動していることは、皆様良くご存じのことと思います。

 また、海の潮の干満の様子から、来潮とも表現されます。

 東洋医学では、女性は7の倍数。つまり7×2の14を基準に生理が始まり、7×7の49歳でおおむね閉経を迎えます。

 この間、女性は実に35年間もの期間、毎月来潮し、その前後に様々な体調と精神状態の変化を体験しています。

 様々な体験の中でも、とくに数多くの女性を悩ませている症状のひとつに、生理痛があります。

 いつのまにかありふれた症状になってしまい、生理が始まると、生理痛はあっても不思議でないようになってしまっています。


 東洋医学の痛みに対する原則的な認識に2パターンあります。


 『通ぜざればすなわち、痛む』 という場合と、

 『栄えざればすなわち、痛む』 の 2パターンです。


 生理開始直前からから約3日目くらいまでの生理痛は、何らかの原因によって気血の流れが阻まれる『通ぜざればすなわち、痛む』 ことによって起きます。

 痛み方は、刺すような鋭い痛み、絞られるような痛み、冷えて引きつれるような痛み、張って苦しくしかも痛む、鈍く重く痛むなど様々です。

 痛みの程度は出血前ですので、生理後の不調を訴える方に比べて、総じて激しく耐えがたいほどの苦痛を生じます。


 一方、生理期間の後半から終わりにかけて生じる痛みや症状は、何らかの原因で元々気血が不足している下地に出血するので、『栄えざればすなわち、痛む』ことによって起きます。

 一般的には、痛みの程度は比較的軽く、だるく痛む程度の不快な症状が多いです。


 前述したように、女性は生理の前後で体調や精神状態が大きく変化します。

 これからもう少し詳しく、順序立ててご説明致します。

 生理痛だけでなく、他に主訴となる症状や病気がある場合、この生理の状況をきちんと自分で把握することで、解決の糸口が見つかることもまた、非常に多いのです。



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posted by いおり at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 女性疾患・妊娠・出産

2014年07月17日

女性の生理痛(2)

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 今回は前回の内容の、『通ぜざればすなわち、痛む』 というパターンについて。

 前回すでに書いているのですが、このパターンの方は、生理前から生理開始2〜3日の、本格的な生理出血の量が増えるころまでに、症状が現れるのがその特徴です。

 生理前というのは、女性の体が最も充実している時で、たとえ生理前に冷えの症状がきつくなったとしても、身体の生気は衰えていません。

 軽いものでしたら、自分の心をすっきりとさせ、身体をお掃除することで、生理痛は消失します。


 では、なぜ様々な症状が起きるのかということを説明致します。

 まず、河川をイメージして下さい。

 河川の水が増水して、流れが速く急になっているところに、流れを阻む何かが存在しています。

 この流れを阻む何かを、東洋医学では邪気と呼びます。

 『通ぜざれば』というのは、この邪気によって阻まれていれば、という意味です。


 では次に、この邪気について解説します。

 気血の流れを阻む邪気には、いくつか種類があります。

 1、精神的要素による、気滞。

 2、身体内部に蓄積された内熱邪。これは体温計では、測れません。

 3、水湿の邪。 体液代謝の異常。

 4、寒邪。 寒冷の飲食、環境によるもの。

 5、瘀血。 血液のヘドロのようなもの。

 以上、ざっくり5種類の邪気が存在します。


 実際の臨床現場においては、この5種類の邪気が相互に関係して生理痛を生じさせます。


 これら5種類の邪気の中心的存在は、なんといっても、精神的要素による『気滞』です。


 この気滞の問題を解決できれば、生理痛に限らず大半の女性器疾患には罹らないと言っても過言ではありません。


 では、この気滞。

 前回の『七情の内鬱』と、深く関係しています。


 次回は、このことについてもう少し、紐解きます。




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posted by いおり at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 女性疾患・妊娠・出産

2014年07月18日

女性の生理痛(3)



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 日常、女性の身体に触れていますと、やはり神秘だなとつくづく感じることが多い。

 今回は、生理痛の中心的な原因となる『気滞』について書こうと思うのですが、あまりに広範囲にわたるので、どこから書き進めたらいいのか、ためらうところでもあります。

 そもそも身体とは、女性に限らず自分以外の様々な『気』の総体であります。

 個体でありながら、自然界や人間を取り巻くすべての場の影響、人との影響を受けて身体の状態が変化します。

 とりわけ女性は、月の満ち欠けに連動して身体の気血が増えたり減ったりする訳ですが、男性も影響を受けます。

 しかし、ダイレクトに身体に表現されるのは、やはり何といっても女性です。

 このことは、古来より自然界の精霊や神々と交流することができた巫女は、すべて女性であったことからも窺えます。

 男性である神官は、女性である巫女を通じて下ろされた、ご宣託の真偽を判断するサニワの役割を担っているにすぎませんでした。

 話を元に戻します。


 女性の感性は、身体を通じて自然界と密接に通じていました。

 しかしそこには、感性はあっても、理屈が無いのです。

 感覚的に、「近いうちに、雨が降ってくる」といっても、そこに理由は存在しないのです。


 「イヤなものは、イヤ」 「好きなものは、好き」、ここに理屈は無いのです。

 ところが現代社会では、感性だけに従って生きることはできません。

 現代社会は、法律や規範によって成り立っているからです。

 むしろ個人によってバラつきのある感性を排除して、一定レベルの規範に従わないと、現代社会で生きることが年々難しくなってきてます。

 しかも社会の関係性は、加速度的にシステムとして複雑化してきています。

 女性の社会参加は、この感性を大なり小なり、麻痺させるか排除しないことには、難しいことになります。


 ここに、女性特有の『気滞』を生み出す、根源的な根があるように感じています。


 男性も、実は同じなのですが、身体を通じて痛みとして毎月ダイレクトに実感するのは、やはり女性です。

 身近な動物でたとえるのなら、さしずめ男性は犬的で、女性は猫的といった感じでしょうか。


                                               つづく

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posted by いおり at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 女性疾患・妊娠・出産

2014年07月24日

冷寒注意報!

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 いよいよ盛夏の時期がやってまいりました。

 この時期になると、例年同じようなことをブログで書いているのですが、今年も同様です。


 冷飲・冷食注意報とでも題しましょうか。


 鍼灸院でも、冷飲・冷食による体調悪化が、顕著に見られます。

 最も多いのは、やはり下痢・軟便。それに伴う諸症状。

 腰痛膝痛、倦怠感、皮膚炎、気分障害・・・


 排便の状態と、腰痛・膝痛が関連している方は、意外と多いのですが、ご本人はそれと気づいておられない方が圧倒的多数。


 運動器と内臓機能。


 一見関係ないようですが、東洋医学では、繋がっているんです。


 あと以外に多いのが、風邪。

 汗をかいて下着が濡れたまま、冷房化の環境に入って風邪を引いていまうというパターンが圧倒的。

 次いで、冷飲・冷食によって消化器を傷め、抵抗力を無くして風邪を引いてしまう方。

 まさに、文明病の様相です。


 営業で外出される方は、冷飲がおいしいですが、できるだけ常温の飲料を摂るように心掛けてください。そして外出後は、汗をしっかりと拭き取るか、下着の着替えを用意されると好いですね。

 デスクワークの方は、冷飲を控えるのはもちろんのこと、仕事を終えた後に、適度に汗をかくことが必要です。

 電車に乗る時は、上着を用意した方がよろしいですね。


 これから秋にかけての過ごし方は、秋に風邪をひきやすいとか花粉症の発症に大きく関係します。

 水分をしっかり取るなど、世間で言われていることは、そのまま鵜呑みにしないこと。


 ご自分の身体の感覚に従って、摂りすぎないようにするのがポイントです。

 カテゴリー「四季の過ごし方」の過去ブログに、詳しく書いていますのでご参考になさってください。


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posted by いおり at 11:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 四季の過ごし方
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